良いお年を!
旧臘30日の夜遅くのことです。私は休憩を兼ねて食事を摂ることにしました。
そう、毎年大晦日の前日の夜は、肉の販売のピークを控えて、精肉部のスタッフが長時間~丑三つ時まで残業する日だからです。それに、その日は大変忙しく、食事もロクにとれていなかったので、帳場の用事を済ませた後、いったん小休止することにしました。
2軒隣の「ときわ食堂」さんの世話になろうと思いましたが、残念ながら「支度中」の文字。仕方なく、とある外食産業チェーンの店に入りました。
で、気づいたことが一つ。それは、
客が帰る時に「ご馳走様」と言わないことです。6人中3人が無言で去りました。
そのチェーンを応援する気持ちは1ナノグラムもない私ですが、これには気の毒と思いました。
翻って「ちんや」でも無言で去る人がゼロではありません。でも、たいていは「ご馳走様!」とか「おいしかった!」とか言ってもらえます。
人間扱いしていただけることは有り難いのだ、そう知った暮れの夜でした。
勿論こちらの声のかけ方で、お客様の反応もかなり変わりますから店側も工夫はすべきでしょう。
「ちんや」では御用納めの日以降お客様がお帰りになる場合は、
「良いお年をどうぞ!」と言っています。これには高確率で反応していただけます。
もう店の外へ出てしまっているのに、わざわざ止まって向き直り、良いお年を!と返して下さる方も多数いらして嬉しくなります。
お客様とは、アカの他人同士ではありますし、金銭の関係ではありますが、その位の挨拶は心がけたい、そう思っています。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.410日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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