きんのと変わらぬけふの味
河治和香先生の歴史小説『どぜう屋助七』が、単行本に成りました。
で、その出版記念会がありまして、私も登場人物の子孫として御招待いただき、光栄にも鏡割りなどさせていただきました。
さて内容紹介です。ネタばれを避けるため、ほどほどに紹介しないといけませんが、この御本は、
浅草駒形にある、どぜう屋の主人・三代目越後屋助七を主人公にした小説です。(ちなみに当代は七代目)
三代目は料理屋の店主としては破天荒な人物で、剣の腕前がスゴく、趣味はと言うと粋な新内流しなので女にモテ、当初店の仕事は「ほったらかし」だったのですが、時代は幕末=御一新の激動期ですから、否応なく歴史の渦に巻き込まれて行きます。
政治の変動以外にも、火事・安政の地震・物価の騰貴と大変な時代でした。
そんな時代に、三代目も、店に集う人々も、江戸っ子の意地と持ち前の明るさで、暖簾を守ろうと頑張りぬく~そういう筋です。
ここに【目次】をコピペーしますと、
一、君は今駒形あたり どぜう汁
二、アメリカが来ても日本はつつがなし
三、恋は思案の外欲は分別の内
四、鯰もおごる神の留守事
五、鯨汁椀を重ねて叱られる
六、冥土の旅へコロリ欠け落ち
七、きゅうりごしんしんごしん
八、風の神雷門に居候
九、江戸の豚都の狆に追い出され
十、きんのと変わらぬけふの味
この話しの脇筋で私の祖先が登場します。
当家は、江戸時代から続いた狆の商いをやめて、牛鍋に転向したわけですから、実はやったことは、どぜう屋さんより大革新だったりしますが、この話しの年代は、それよりもう少し前のこと。狆屋をしていた最後の頃の話しです。
あんまり詳細に書けませんが、私の祖先はどじょうを狆に食べさせたり、狆をペリーに献上したりとユニークなエピソードが満載です。
やがて御一新、狆屋が「ちんや」と成ったのと前後して、駒形の三代目は亡くなり、この小説は終わります。その後のことは・・・このブログでも、まあ、お読み下さい!
ともあれ、なぜ浅草は昔も今も賑わっているのか、なぜ美味いものは昔も今も美味いのか、この話しに出て来るような人達がいたからだと私は思います。
「十、きんのと変わらぬけふの味」という最終章のタイトルに、その意味が込められています。
「きんの」とは今はもうあまり使われない下町方言で、昨日のことです。
河治先生が「変わらぬ今日の味」を評価して下さり、その為に生涯を捧げた浅草人のことを描いて下さったことが嬉しいです。
是非お読みください。 是非。
追伸①
クリスマス・イベントを開催します。
「イブすきの日に、指宿の焼酎を!」
とうことで、12/24に「ちんや」お座敷(=個室・大広間)で、すき焼きを頼んだ方に、指宿市の芋焼酎グラス一杯をサービスに致します!
堂々オヤジ・ギャグです。
サービス品だからと言って、質が悪いわけじゃあございません。
白露酒造さんの『岩いずみ』という品ですが、
指宿市山川地区の「黄金千貫」を主に使用。
また国土交通省「水の郷百撰」に認定された、開聞岳の麓より湧き出す天然水(軟水)を使用しています。
白麹仕込と黒麹仕込という製造方法の異なる焼酎を絶妙にブレンドしてありまして、実にマイルドです。
さらに1年熟成させることにより、味わいと甘い余韻を醸し出しています。このメーカーさんは熟成に重きを置いておいでなので、「ちんや」の味に合うと私は思っています。
と、いう次第で「イブすきの日に、指宿の焼酎を!」
お後がよろしいようで・・・
追伸②
ビジネスマンの方を対象に、忘年会に関する意識調査を実施させていただました。
目的は、もちろん、日本の会社の忘年会を、もっとワクワクするもの、もっと意義あるものにしたいからです。
忘年会は毎年惰性でやっている…では悲しいですよね。
ビジネスマンの皆さんは、どんな忘年会なら出席したいのか、逆に、どういう忘年会はパスしたいのか、
その答えがここにあります。
会社の忘年会から、この国を元気にしていきたいと思います。
この調査結果は、そのための参考にしていただきたいと思います。
さてさて、大ショックの調査結果はこちら↓から。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.389日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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