見込み生産

食品ロス削減に関わっておられる方のおっしゃることは、実に耳が痛いです。ご提言のかなりの部分は実行し難いと思ってしまうからです。
「ちんや」の飲食部門では、お客様から事前にご注文をうかがうか、あるいは店に見えてご注文をうかがってから用意しますが、肉の小売り部門は、見込み生産で、その見込みがどうしても外れます。
おそらくは見込みを止めない限り、ロス削減にはならないのですが、お客様の利便性を考えると見込み生産を止められません・・・
という話しをしていたら、知人が、
受注生産の弁当屋さんが、上野にありますよ!
と言います。
なんでも、それは肉屋さんが売っている弁当で、お昼時はいつも人だかりができるそうです。
お店の名前は、
「肉のタカオ」
松坂屋さんの向かいの三角地帯に在ります。そのメニューは、
ヒレカツ弁当
ロースカツ弁当
焼豚弁当などなど。
注文してから揚げ始めるので出来立てをいただけます。10分ほど待たされます。
真夏などは待つのがキツいと思いますが、並ぶ人が絶えないのだとか。
素晴らしいです。
受注生産でも成り立つのですねえ。
成り立つのであれば、挑戦する価値はあると思います。食品ロスを出して良いはずはありませんからね。
そもそも、会社は前年より成長しなければならないと思い込んでしまっているので、
→新商品を開発して、前年より大量に作る。
→見込みが外れて大量に廃棄する。
このサイクルから、いい加減、人類は脱出しないといけないと思います。根本的に。

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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重大インシデント

浅草のスイーツが腹立たしくて仕方ない!!
あ、いや、いや、この文が不用意に拡散すると困るので、正確に書きますと、
浅草の、パッキングされていないスイーツが腹立たしくて仕方ないです。
ああいうものを売る輩と食べる輩のせいで、浅草は「歩き食いの街」と化してしまいました。
スイーツをパッキングせず「剥き出し」で売っているというのに、座って食べる場所が用意されていないので、買った客は路上で食べるしかありません。そして、実際に食べています。
客の多くは外人さんで、浅草とは、そういうことをしてOKな街だと認識してしまっているようです。とほほ。
マナーが悪いだけでなく、不衛生です。浅草の空には鳩が何羽も飛んでいますからね。
実際問題、「腹立たしい」「不衛生」どころではなくて「危険」とすら言えます。
私は浅草の街を移動する時たいてい高速で移動していますが、そういう場合に危険なのです。
高速移動中私は、ぶらぶらしている外人さんと外人さんの間に肩幅程度の隙間があれば、そこをすり抜けて目的地を目指しますが、
うおお!!
目前に抹茶ソフトを持った手が迫ってくるではないですか。
重大インシデントです。運輸安全委員会に通報せねば!

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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鶏むね肉ブーム

鶏むね肉ブーム
私には、フードファディズムの臭いがプンプン感じられます。
今月のある日、超大手新聞に
「もも」より「むね」好評、チキンの人気高まる
という記事が出ていましたが、天下の大新聞さんは、もう少し慎重に報道した方が良いのでは?と思ってしまいます。
記事中では、大手コンビニがむね肉を使ったフライドチキンの売り上げを伸ばしていると伝えていましたが、そんなに多量にむね肉ばかり使って、鶏の他の部位はどうするつもりなんでしょうか?
それに、そもそも、むね肉って、そんなに決定的にヘルシーなんでしょうか?
このように「食べものや栄養が健康と病気に与える影響を、熱狂的、あるいは過大に信じること、科学が立証したことに関係なく食べものや栄養が与える影響を過大に評価すること」をフードファディズム(food faddism)と申します。
既に1952年には、この言葉が使われていたそうですが、現代日本は、この件をほとんど学ぶことなく、
「この食品を摂取すると健康になる」「この食品を口にすると病気になる」「あの種の食品は体に悪い」と騒ぐことが多いです。
従来はマスコミの罪とされてきましたが、近年ではコンビニが、その煽りに乗るようですね。
私は、肉の部位がどこかより、その鶏さんがどのように飼われていたかが気になるんですけど、おかしいですか、ね?

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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江戸東京・伝統野菜

東都のれん会「東若会」の例会に参加しました。
今年3月に「東若会」の幹事長を退任しまして、今後は気楽に参加できると思うと、嬉しい限りです。
さて今回の会場は、麻布十番の会員店「総本家 更科堀井」さんです。言わずと知れた名店ですね。
そして今回の酒肴は、いや趣向は「江戸東京野菜の夕べ」ということでした。江戸東京・伝統野菜研究会の代表・大竹道茂さんによる講演を聞いた後、江戸東京・伝統野菜を使った食事会という流れです。
大竹さんは「すきや連」に熱心に参加して下さるので、私は旧知なのですが、弊ブログでは「江戸東京・伝統野菜」を紹介したことが、そう言えばなかったので、ここに紹介しておきます。
「江戸東京野菜」は、種の大半が自給または、近隣の種苗商により確保されていた昭和中期(昭和40年頃)までの、「固定種」あるいは「在来種」を言います。
有名なのは、練馬ダイコン、亀戸ダイコン、谷中ショウガ、寺島ナスといったところでしょうか。
ここでポイントなのはF1を排除している点です。F1とは超速い車のレースのこと、では勿論なく、野菜の一代限りの交雑種のことです。
野菜の性質の中で、収量が多いとか、
同時に実が獲れるとか、
皮が強くて、運び易いとか、
農作業上都合の良い形質を持っている親と、普通の親を受粉させた場合、遺伝の法則によって、子には一代に限って強い方の形質だけが現れるので、それを利用するのです。同時に実が獲れる子ばかりが育てば、収穫作業が一回で済むので楽ですね。それを利用するのです。
ところが二代目(F2)(孫)となると、弱い方の形質を持った孫も出て来てしまうので、それは使いません。つまり農家さんは種を取って置くということをせずに、翌年も種の会社から種を買って植えるのです。現代農業では、これが主流です。
ここで問題になるのは、F1の種の獲り方です。
自家受粉されてしまっては、そっちの子が育ってしまい不都合ですから、膨大な手間をかけて、オシベを全部取り除くか、もう一つの方法として、花粉を作れないオシベがつく異常な親を使う、という方法もあるのです。
この異常な親を「雄性不稔(ゆうせいふねん)」と言うらしいですが、かえって分かりにくいので、動物に例えますと男性不妊とか無精子症に当たります。普通の親のオシベを全部取り除くのは、大変面倒なので、そういう親を選抜して使っていくのです。
ここで指摘しておきますが、現代農業では農家さんは種を獲らないのです。毎年大手の種商から便利な種を買うのです。上で書いた「F1の種の獲り方」は、各農家さんではなくて、種メーカーがやります。
そして結果、その農村の土壌に合った在来種はなくなって、大手の種商が開発した便利な、そして残念な親の性質を継いでいるかもしれない種だけが、この国に遺って行くのです。
これは「遺伝的多様性の喪失」という観点で、実に牛の世界に似ています。
そんな中で江戸東京・伝統野菜研究会のような方々だけが在来種を遺しているのです。
トホホな現状でしょう?
でも、これが現実です。お見知りおきを。

あ、お料理はどれも美味しかったです。
「川口エンドウ」と海老のかき揚げがかなり美味しかったです。野菜には当然苦みがありますが、揚げて海老の旨味と一体になり、そこへ塩味を付けることで非常に美味しく感じられました。
御馳走様でした。

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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関西学院

ええーっ、内田監督、日大と関学は大学アメフト界を代表するライバルだったはずなのに、
「関西学院」の読み方をご存知なかったんですかあ!
謝罪に行って、読み間違いは、かなりマズいですねえ。
さて関西人や関西在住経験者にとっては常識ですが、弊ブログの読者は関東人が多いので、念のため記しますと
「関西大学」は「かんさいだいがく」
「関西学院」は「かんせいがくいん」
関学が設立されたのは1889年。当時は「かんさい」と「かんせい」の両方の読みがあり、統一されていませんでした。
「関西学院」は、後ろに「がくいん」と続きますから、「かんせいがくいん」と読んだ方が語感が良いですね。その読みを今日まで変えずにいることに、先駆者としての自負を感じます。
実は「東京」にも「とうきょう」と「とうけい」の二つの読み方がありました。
1872年の浅草猿若町の様子を描いた開化絵
東京花猿若三櫓繁栄開看図
の画題の読み方は、
「とうけいのはなさるわかさんやぐらはんえいかいかんのず」
です。この絵は「ちんや」の客室に架けてあります。
読み分け方に明確な基準はなかったらしく、
一応、漢音読みが好きな学派の人たちは、「京」を漢音読みで「けい」と読み、
呉音読みが好きな学派の人たちは、呉音読みで「きょう」と読んだと言われますが、
旧幕時代をしのぶ人の中には「とうけい」派が多かったと言う人もいます。
やがて義務教育が普及し、教科書に「とうきょう」とルビがふられ、それを学んだ人が成人して、ようやく1890年頃までに統一されたようです。
いずれにせよ、それ以前は統一しなくても問題なかったのですから、面白いですね。
今年は明治150年。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.006日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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みりん

日大アメフト部の「殺人タックル」問題がネットで炎上していますね。そんなコメント欄を読んでいて、私は不謹慎にも、怒るより笑ってしまいました。曰く、
「スポーツマンシップのみりんもない卑劣な指導者に大学生まで感覚を麻痺させられてしまっている異常事態。日大生、日大卒業生にまで泥を塗りながら、逃げまくる監督!恥だ!早く辞任しろ!」
「みりん」って「味醂」ですか、ね?
それを言うなら、「微塵」(みじん)ではないでしょうか。
みじん「微塵」とは・・・
1 非常にこまかいちり。
2 物が割れたりして、 非常にこまかくなること。「茶碗が微塵に砕ける」「粉微塵」「木っ端微塵」
3 (下に打消しの語を伴う)量や程度がごくわずかであること。「微塵の敵意もない」「微塵も違いがない」
「微塵切り」という言葉がありますから、たしかに「微塵」も「味醂」も料理用語ではありますが、以前なら間違って使うとかあり得ませんでしたよね。だって、チリと液体ですから、間違うはずがないです。
でも、今どきはご家庭で「味醂」を用意しておいて料理に入れたりはせず、最初から甘味を添加した既成品の調味料を使う方が普通でしょう。それで、きっと味醂に馴染みがなく、語感だけに頼って「みりんも無い」と言ってしまったのだと想像します。
「みりんも無い」という言葉は、まさに、その方の台所に味醂が無いことを意味しているのだと思います。
今年は明治百年。

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すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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ツアー

とある超高級ホテルのコンシェルジュさんを呼んで、日頃どんなお仕事をなさっているか聞かせていただくという会議が先日ありまして、私も参加しました。
そのホテルは所謂「富裕層」向けで、客はほとんど外国人。一日仕事して日本語を話さないこともあるのだとか。
そんなお仕事の中で、そのコンシェルジュさんが力を入れているのが、
ミニツアーの開催です。
宿泊客が、例えば和菓子店のバックヤードを見学できるようにして、車とガイドさんも付くというプランを組んでいるのだとか。
「普通の客ではさせてもらえない体験」
が必ず付くというのが、そのツアーの「売り」です。誠に結構なことです。
が、私が思ってしまったのは、
なんで日本人相手にはやらないんだろう?
日本人といっても東京に馴染みのない人は大勢います。
ましてや有名店のバックヤードを見たことのない人は大勢いますよね。
外国人ばかりが日本文化に造詣が深くなる昨今て、なんだかなあ、と思ってしまいます。

追伸、
20日まで三社祭が開催されています。
本日は正午より浅草寺本堂裏手で、各町会神輿の「連合渡御」が行われます。
浅草神社本社の神輿が出るのは、明日です。どうぞ、お出かけ下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.003日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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イベント地獄

東洋経済オンラインで、
「徳島の阿波踊りが「イベント地獄化」した理由~観光客120万人超、補助金投入でも大赤字の謎」
という記事を見つけました。「まちビジネス」事業家の木下斉さんという方の文です。
普通の人は、「阿波踊り」ほどのイベントでも儲からないのか?!謎だ!と思ってしまいますが、この文の筆者は逆で、地方のイベントは「イベント地獄化」することが大変多く、よほどの工夫がないと疲弊して行くだろうと指摘してします。
そして私は、「地方の」を取って、東京の商店街のイベントでも同じだよなあ!と思ってしまいました。商店街とか街のことに関わる人は、この文をお読みになった方が良いと思います。
さて、「阿波踊り」を主催する徳島市観光協会の累積債務はおよそ4.2億円で、返済の見込みがないと聞きます。それが昨年明るみに出て、大騒動になっていますね。
そうなってしまった理由の第一は、木下さんによれば、
・ 客数増のために、無料でなんでもやってしまう。
「一大事業は観光客数、動員数といった「人数」を追い求めるようになります。そのため、集客数をあげるためにはなんでも無料サービスを展開してしまいがちになります。ただし、人が来れば来るほど、当然ながら対応する人員、施設の維持などに多額の予算が必要となり、運営赤字が拡大。「経済効果があるから地域にとっては大きなプラス」などといいながら、肝心の「経済効果から稼ぐ仕組み」を作らず、あろうことか、補助金を入れてもなお赤字の事業構造も放置されてしまうのです。」
街のイベントの成績は動員数だけで評価されることがほとんどです。そして、そこへ来た人が散財したお金がどの程度かは、精査されないことがほとんどです。
そして、イベントを盛大にしようと、無料サービスを追加すればするほど、質の低い客、つまりお金を使わない客が集まるようになって行くのです。
例えば、地方のイベントにたいてい登場する「ゆるキャラ」の場合はどうでしょう?
「ゆるキャラ」と握手しよう!
という無料サービスに惹かれてやって来る客は、その土地の工芸品を買うでしょうか?
絶対買わないとは申しませんが、まず買わないでしょう。
要するに、そういう方法では地方は活性化せず、地場製品の本当の魅力と発信力を向上させるしか地方の活性化も、街の活性化もないのですが、実際は日々イベントばかりが行われています。
街を賑やかにしたいのが人のサガだから、効果が?と知りつつ、イベントをやってしまうのだろうと思います。しかし、その流れを止めねば疲弊するばかり。
「観光客120万人超、補助金投入でも大赤字の謎」
地方の方だけでなく、街に関わる人は、この記事を読んだ方が良いと思います。

追伸、
本日から20日まで三社祭が開催されます。
本日はお神輿は出ませんが、13時から名物「大行列」が浅草の街を練り歩きます。どうぞ、お出かけ下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.002日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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こだわり

さて3.001日めです。いつもの「ぼやきブログ」に戻したいと思います(笑い)
今日は「こだわり」という言葉について。
私は今日、この言葉の用法・ニュアンスを元に戻すことを提案したいと思います。
元々この言葉は良い意味で使われませんでしたが、1980年代から良い意味でも使われだしたとかで、いまや、テレビのグルメ番組で「こだわり」は、完全に良い意味です。
およそ、旨い食べ物を造るには、バランスあるいは塩梅が大事だと思うのですが、
当節「売り」(=セールスポイントのこと)を際立たせるために、テレビの影響を受けたのか、過剰な「こだわり」を言いつのる造り手さんが増えました。
肉の場合、「こだわり」は「A5」(=過剰なサシ)でした。
私が昨年1月に、霜降りと赤身のバランスが良い肉を使うと宣言(=「適サシ肉宣言」)して、その流行りから脱出させていただいたのは、ご高承の通りです。
日本酒の場合は超高精米(=「磨き」)が、それですね。
過剰に磨けば、たしかに希少性・高級感は増しますが、米の表面にある、苦味・渋味・酸味が全く無くなってしまい、甘辛いだけの飲み物になってしまいます。
それを持て囃しているのが、当節の東京市場だと、蔵の方々はボヤいています。
でも、彼らが酒販店やレストランに酒を売ってもらおうと営業に行くと言われるのだそうです。
オタクの「こだわり」は何?
トホホですねえ。ここで伺いますが、
皆さん、自分の舌で味わって、心底、超高精米酒が旨いですか、ね?
私は「Ricey」な酒つまり米の多様な魅力が割拠している酒が旨いと思うんですけどねえ。
精米歩合を過剰に上げるという「こだわり」は、悪い意味で語られないといけません。
「こだわり」という言葉を、悪い意味に戻しましょうよ。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.001日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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住吉史彦のブログ三千日連続更新記念 三夜連続シリーズ「バブル世代のバブル噺」その第三回

グーグルの検索窓に「バブル世代」と入れますと、
バブル世代 使えない
バブル世代 無能
バブル世代 リストラ
バブル世代 あるある
という文字列が並びます。
私を含む、この世代は、どうやら世間からそう診られているようです。トホホなことですね。
ここであらためて正確に書きますと「バブル世代」とは、バブル景気の時期(1987年-1991年)に就職した世代のことを言います。
かく申す私も1988年春の大学卒業ですから、ジャスト・バブル世代です。そして、この春、この世代が卒業30年を迎えました。そう、実は今年は私達の卒業30周年の年なのです。
ですので、ブログ三千日連続更新記念で書くネタとしてちょうど良いと考え、
「バブル世代のバブル噺」を書いてみることにしました。今日は、その第三回です。

さて今回のバブルは、浅草に関して言えば、「インバウンド・バブル」の様相を呈しています。
最近浅草で建設ラッシュが起きているのです。永く続いたお店さんが店をたたまれて、インバウンド狙いの新手の店が続々出来ています。
最近地下鉄浅草駅には不動産屋さんの電飾広告が出ました。駅の電飾と言えば料理屋や菓子屋が定番で、BtoBの業種の広告などこれまで浅草駅ではまず見かけませんでしたが、出ました。
これを喜ばしいことと思う人もおいでのようです。
しかし、東京のビルを壊して、新しいビルを東京に建てるのって、昭和のバブルとおんなじじゃないですか、ね?
成長する方法って、スクラップ&ビルドしかないんですか、ね?
成長の質って、問われないんですか、ね?
質が下がるのなら、無理に成長しなくても良いんじゃないですか、ね?
今経営者と投資家がゆるゆるの投資計画に夢中になっているように思います。
スキルが「いまいち」な労働者が、こんなオレでもどっかの会社で、どうにか働けるだろうよと楽観しているように思います。
実際、緩くて使命感の乏しい不動産投資計画が街を壊すことが、本当にあります。
花柳界を観て下さい。花柳界には総合的な日本文化が集積していますが、その文化に日本人が金を惜しむようになった結果、長期衰退の傾向にあります。そして、その料亭さんに今緩い投資ばなしが舞い込んで来ます。
そんな儲からない商売をなさっているより、広い土地をお持ちなんですから、いっそのこと廃業して、マンションを建てて不動産経営をなさいませんか?!民泊だって出来ますよ!
マンションたった1棟を建てるために、芸事に励んできた芸者衆の出先が無くなるんですよ。結果、花柳界のド真ん中にマンションが立って、新住民は夜間の喧騒にクレームを入れてきます。何言ってんの?夜賑やかなのが花柳界でしょうが!!
街が壊れるというのは、こんな感じです。パラドキシカルなことに、景気の良い時に街は壊れるのです。不景気な時は頑張ってきたのに。

長寿企業研究・老舗研究の先生方が嘆いておいでのように、企業を長生きさせることに意義はない、経済というのは新陳代謝を良くした方が良いんだと考える人達がいます。
新陳代謝した方が経済成長が高まるという考えですが、そういう考えの輩がマンションを建てているのです。
しかしですね。冷静に考えてみますと、環境が良い時だけ成立する仕事、つまり昨今浅草で流行っているような仕事って、環境が良くなくなったら、成立しなくなりますよね。
インバウンド客狙いの業者もそうですね。
なのに日本人はムードに流されます。日本人の集団志向・絆の強さは、災害時には良い方向に作用しますが、同時に日本という国は、その集団志向による失敗をし易い国であって、平時や景気良さげなムードの時には特に気をつけないといけません。
逆に生き残った老舗はこれまで、そういう失敗から身を守って来ました。平時の老舗の姿勢の根本は懐疑主義あるいはバランス感覚であるべきだと私は考えています。
災害時に地震の揺れや津波は建物を破壊しますが、それは本当の資産ではありません。日本人が本当の資産であるソフトウエアとお客様との関係を大切にし続ければ、これからも残って行く企業はあると思います。
反対に、浮ついたムードは人の心を壊します。
地震は人の心を壊せません。津波も人の心を壊せません。火山も、台風も、戦争も人の心を壊せません。なのに、それらが壊せなかった人の心を、いっときの利益の為に失ったらかなり悲しいと私は今深く心配しています。
結局薬局、成長の質って、問われないみたいですよ、皆さん・・・

さてさて、「バブル世代のバブル噺」でしたが、書いていて、自分がつまらなくなってきましたので、この辺りで止めにして、明日からは、元の食べ物ブログに戻ります。よろしく哀愁。
(『よろしく哀愁』~歌:郷ひろみ、作詞:安井かずみ、作曲:筒美京平。1974年=バブル世代が小学生だった頃の流行歌)

あ、そうそう、大変遅くなりましたが、ここで一言御礼を申し上げます。
御蔭様にて三千日連続更新を達成しました。三千日に渡る御愛読に心より感謝いたします。在り難うございました。
五千日連続更新まであと1.999日です(笑い)
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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