原型

河治和香先生の『ニッポンチ!』が単行本になりました。

出版記念会が「駒形どぜう」さんで開催され、お招きいただいたので、久しぶりにどじょう鍋を堪能しました。

食べるにつけ毎回思うことは、それにしても、どじょう鍋は牛鍋と比べて原型を留めいている鍋だなあ、ということです。

牛鍋も最初は肉とネギだけでしたが、だいぶ具材が増え、名前まで変わってしまいました。

黒川伊保子先生が書いておられる通り、GYの音は人に良い感じを与えません。「ギャオス」「キングギドラ」などのウルトラマンシリーズの怪獣の名は、その効果を逆利用して命名しています。「GYU鍋」では高級な感じにならないので、改名したのです。

が、どじょう鍋は、名はもちろん形態もさほど変わっておらず、何故だろう?と毎回気になります。

理由は、ごめんなさい、わかりません。おそらく、

一方の牛鍋は、高級化するにつれ、見栄えを良くする必要があったのだろうと想像します。肉のブランド化が始まって値段が高くなり、すき焼きが「ハレ」の日の「お御馳走」という位置づけになって行く一方、どじょうは庶民の栄養源という形態を守って今日に至ります。

その間のお店の努力には感服する他ありませんが、純粋に食べ物として考えると、

野菜が少ないなあ・・・

という不満があります。コロナの渡世ですから、免疫力向上のために繊維質を摂って町内環境を良くする、いや間違えた、腸内環境を良くする必要がありますが、どじょう鍋はネギだけなので、私は今回無理やり店で生野菜を食べてから出陣しました。

それでも勿論、どじょう鍋が美味しかったことをご報告いたします。

河治和香(著)

『ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙』

ISBN9784093865968

小学館刊行

皆様もご購読を。

追伸、11月3日は火曜日ですが、祝日に当たりましたので、「ちんや」は営業致します。どうぞ、ご利用下さいませ。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.901本目の投稿でした。日頃のご愛読に心より御礼申し上げます。

今後は3.939本を目指して頑張って参ります(笑)

国芳一門明治浮世絵草紙

河治和香先生の『ニッポンチ!』が単行本になりました。

出版記念会が「駒形どぜう」さんで開催され、お招きいただいたので、参加させていただきました。

和香先生が、「駒形どぜう」の三代目を主人公にした小説『どぜう屋助七』(2013年)にウチのご先祖を登場させて下さって以来、新しい作品を楽しみにしておりますが、今回は明治の浮世絵師を主人公にした小説です。

これまで文芸雑誌「qui-la-la」(きらら)で連載されていて、登場する絵師の作品がウチにあったりしますので毎回楽しみにしておりましたが、それがついに単行本になりました。めでたいです。

登場するのは歌川国芳門下の絵師たちと娘の芳。国芳には歌川芳虎、芳艶、芳藤、落合芳幾、さらには月岡芳年、河鍋暁斎といった弟子がいましたが、国芳が幕府に逆らう位の人だったので、弟子達の性格も皆ユニークで。その人物描写もまた、この小説の面白いポイントですね。

皆様もご購読を。

『ニッポンチ! 国芳一門明治浮世絵草紙』

小学館刊行 ISBN9784093865968

追伸、11月3日は火曜日ですが、祝日に当たりましたので、「ちんや」は営業致します。どうぞ、ご利用下さいませ。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.900本目の投稿でした。日頃のご愛読に心より御礼申し上げます。

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閉店

うーん、その書き方だと廃業だと誤解してしまう人がいると思います。

洋食の「たいめいけん」さんの件です。

【閉店】東京・日本橋の「たいめいけん」が閉店、年内取り壊しへ 茂出木シェフは今年がんを公表

という投稿がネットに多く見られました。そして、

たいめいけんやめないでよ…

と書いた人がいましたが、やめませんよ。

再開発のため一時的に休むだけで、来年3月には近隣地に仮店舗を開設、営業再開すると聞いております。

誤解のなきように。

追伸、10月26日の「あさくさ食たび」に出演させていただくことになりました。「あさくさ食たび」とは、浅草の料理人がオンライン講義で、全国の皆様に「浅草の食の道案内」をするというもの。視聴ご希望の方は、こちらです。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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和牛の町×ごはん

10月13日21時放送の、BS日テレ『和牛の町×ごはん』

に出させていただきました。

ご紹介いただいたdancyu植野編集長、誠にありがとうございました。

今回お採り上げいただいたのは、「ちんや」本体ではなく、地下一階の「ちんや亭」です。

「ちんや亭」は2018年から「肉の食べくらべレストラン」を称しておりまして、全ての肉メニューに「ちょい食べサイズ」(ハーフサイズのこと)が用意してございます。

最近「ちんや亭のちょい食べ」が商標登録できたばかりでの、テレビ出演で大変良いタイミングでした。

撮影していただいのは、すき焼きの「ちょい食べサイズ」とハンバーグの「ちょい食べサイズ」。

「和牛」の水田さんは調理師免許を持っていて、当然ですが色々お詳しい。

製造工程もたくさん撮っていただいて、さすが植野さん監修の番組と思いました。

お採り上げいただき、ありがとうございました。

追伸、10月26日の「あさくさ食たび」に出演させていただくことになりました。「あさくさ食たび」とは、浅草の料理人がオンライン講義で、全国の皆様に「浅草の食の道案内」をするというもの。視聴ご希望の方は、こちらです。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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鰹節商い始末

100年経営研究機構の月例オンライン研究会に、旧知の「にんべん」高津社長が出られたので、拝聴しました。「にんべん」320年の歴史を分かり易くまとめてあって、素晴らしいプレゼンでした。

その研究会の最後に100年機構理事長の後藤俊夫先生が、少し変わった推薦本を紹介して下さいました。経営研究の研究会ですから、経営や経済史の本かと思いきや、小説でした。

荒俣宏の、

『男に生まれて 江戸鰹節商い始末』(2004年)です。

私は不勉強でこれまで読んでおりませんでしたが、幕末維新期の日本橋の商人たちを描いた小説です。「にんべん」さんだけでなく、「榮太樓」さん、「山本海苔店」さんなども出ます。

維新は、江戸の商人にとって、迷惑この上ない事件でした。それまでのお得意様が江戸からいなくなってしまったからです。藩の御用で江戸住まいしていた武士たちが皆国に帰ってしまい、経済はドン底になります。人口減少即経済縮小ですから。

殿様が売掛金を踏み倒したこともあったようです。

江戸にいるのは新政府に仕官した薩長の田舎侍だけ。粋なことは何も分からない連中です。

都心に人がいないという点では、コロナ緊急事態の東京に近い感じかもしれません。

そんな時代に、鰹節のみならず甘納豆や味付け海苔といったイノベーションで、江戸商人は生き抜いていきます。

出版当時は、幕末と平成不況の比較が話題になったようですが、私にはコロナがちらついて仕方ありませんでした。

皆様もご購読を。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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コロナに効く料理

旧知の青木ゆり子さんが、全世界各国・300地域 料理の作り方を紹介した本

『世界の郷土料理事典』を出版され、それに連動した展示会が開かれているので、拝見してきました。

会場には当然ながら、各国の料理の写真が所狭しと掲げられています。

それを眺めながら談笑する内、私は不謹慎なことを思いつきました。

これだけたくさんの料理がある中で、免疫力が上がって、コロナに効きそうな料理はどれでしょうか、ね?

ご回答は、

うーん、なんだかんだ言って和食が良いと思いますよ。海山の食材があるし、醗酵食品が色々あるし・・・

いやいや、日本だと食事が良いのか、医療体制が良いのか判然としないので、日本じゃなくて、医療が貧困なのに国民が長寿な国とかないですか?

うーん、それはジョージアとか、ペルーとかかしら?

ジョージアと言うと、缶コーヒーを思い浮かべる人が多いかと思いますが、ここで言うジョージアは以前「グルジア」と言っていた国のことです。黒海とカスピ海に挟まれ、ロシアからトルコ・中近東にぬける回廊のような土地で、食文化が混ざりあっています。ワインと乳製品が豊富。

でも、日本との御縁は薄いですねえ。

ペルーはグルジアより御縁がありますね。海山両方があり、先住民の料理、スペイン料理、黒人の料理が混じり合っています。

アンデスの痩せた土地に育った野菜は、生命力があるからそれを食べるのは体に良いかも。

日本でも蕎麦とか痩せた土地に育つ作物は良いかも。

なぬ?!蕎麦がコロナに効く?!

いやいや、軽はずみなことを言うと、ヨシムラ知事みたに炎上するので、この件は忘れて下さいませ。

あ、ご本は素晴らしいので、ご購読を。

『世界の郷土料理事典』全世界各国・300地域 料理の作り方を通して知る歴史、文化、宗教の食規

出版社: 誠文堂新光社

ISBN-10: 4416620179

ISBN-13: 978-4416620175

*追伸、「ちんや」が使っている千住葱の動画がNHKアーカイブスのサイトで見られるようになっています。

この動画は、今年3月にNHK-BSで放送された「新日本風土記」を再編集した動画なのですが、最初からこの尺だったかのように編集されていて、流石素晴らしいと思いました。かなり旨そうに煮えてますので、是非ご覧ください。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.817目の投稿でした。引き続きご愛読を。

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NHKアーカイブス

「ちんや」が使っている千住葱の動画がNHKアーカイブスのサイトで見られるようになっています。

この動画は、今年3月にNHK-BSで放送された「新日本風土記」を再編集した動画なのですが、最初からこの尺だったかのように編集されていて、流石素晴らしいと思いました。

かなり旨そうに煮えてますので、是非ご覧ください。

この動画がUPされたのと同じタイミングで、

「よみがえる江戸野菜」江戸庶民や武将が愛した、あの味をもういちど

という動画もUPされていました。

こちらは、私は見逃していましたが、2019年に放送されたもののようです。

拝見していると、向笠千恵子先生と私でやっている「すきや連」に参加して下さる、大竹道茂さんが登場しました。

大竹さんは「江戸・東京野菜」の運動をリードしてきた方で、大竹さんのおかげで、「寺島ナス」や「真桑ウリ」などが、保存され、また注目されるようにもなりました。

ご一緒できて在り難いことでした。

*すき焼き・しゃぶしゃぶは、鍋でウイルスを加熱殺菌してすぐ食べるので、非常に安全な食べ方です。安心してお召し上がり下さいませ。
こちらで通信販売もしています。
よろしくお願い申し上げます。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.815目の投稿でした。引き続きご愛読を。

99年

京橋の創業99年の焼鳥専門店「伊勢廣」さんが新本店ビルに移転することになりました。

情緒あふれる、今の店舗は9月末までです。

「伊勢廣」さんの在る辺りは年数の経った町家が並んでいる一角で、私はその雰囲気が好きだったのですが、ついに再開発となり、今の店舗からは立ち退きとなるそうです。

変わって近隣地に新店舗ができますので、不便になるわけではなく、新店舗には今の情緒をできるだけ残すとかですが、それでも今の店が好きな人間には寂しさもあります。

私もお別れに行って来ました。

鶏一羽を丸ごと味わうコース料理は初代が考案して、これまで99年続けてきたそうですが、相変わらず結構。

丸の鶏から仕込むので、その労力が大変と聞きます。店舗が新しくなっても、そこは変わらず続けて下さるそうなので、頼もしいことだと思います。

今のお店と名残りを惜しみたい方はお急ぎ下さい。

*すき焼き・しゃぶしゃぶは、鍋でウイルスを加熱殺菌してすぐ食べるので、非常に安全な食べ方です。安心してお召し上がり下さいませ。
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健康診断

コロナ問題で浅草料理飲食業組合の集団健康診断の様子も変わりました。

予約制と検温とソーシャルデイスタンスが導入されたからです。

この検診は、200人近くの加盟店の従業員が参加する、結構、大規模なものです。例年は初日・二日目・午前・午後くらいの緩い時間分けで実施してきましたが、今年からは「密」を避けるため、30分ごとの予約制となりました。

受付を待つ間も間隔を空けて待ってもらいます。

誘導に例年より手間が必要ですので、組合役員が手分けして手伝いに出ました。私も検温係として参加。検温器の使い方だけは上手くなりました。

参加者の皆さんの反応は、ごくスムーズ。各人が日頃自分の店でやっているからでしょうね。

問題なく終了して、まずは良かったです。関係者の皆さん、お疲れ様でした。

*すき焼き・しゃぶしゃぶは、鍋でウイルスを加熱殺菌してすぐ食べるので、非常に安全な食べ方です。安心してお召し上がり下さいませ。
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テイクアウト

旧知の鮨屋さんを訪ねて、談笑するうち緊急事態中の話しになりました。

店の営業は休みましたけど、テイクアウトはずってやってたんですよ。売れたのは、最初は日に数個でしたけど、だんだん増えてきて、ピークのゴールデンウイークには数十個売れましたね。電話が鳴り続ける日もありました。

へえ。凄いですね。

それも一番高い@5.000円が結構売れました。

ほお、凄い。ご家族で四個買ったら、20.000円になっちゃいますけど、売れるんですねえ。

いやいや、住吉さん、それがね、違うんですよ。一家族で@5.000円一個なんです。それを分けて食べるんです。ご家族揃って「飲食」しに行くと、各自が一人前食べないといけませんけど、テイクアウトなら自由に買えるから便利なわけです。

うーむ、そうですかあ。

20.000円が5.000円になった話しと思うと悔しいですが、普段御縁のない人と御縁が出来と思えば悪くない。そこは気の持ちようですね。

*すき焼き・しゃぶしゃぶは、鍋でウイルスを加熱殺菌してすぐ食べるので、非常に安全な食べ方です。安心してお召し上がり下さいませ。
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