げっぷ

「まんぼう」の件が騒がしかった週末に以下のようなニュースが流れました。

「農林水産省は牛のげっぷに含まれるメタンガスなど温室効果ガス排出削減の研究を加速させる。牛のげっぷと排せつ物は国内の農林水産分野の温室ガス排出量の3割近くを占める。同省は2021年度、排出削減につながる胃の中の微生物や餌の成分の分析を進める。」

ニュースというよりはリリースですけど。

牛などの反芻動物のげっぷにメタンが含まれる件は環境活動家の間では知られていました。

一般の人にはさほど知られておらず、コイズミ環境相もアメリカを訪問した時「毎日でもステーキを食べたい」と発言して環境派から批判されたくらいでした。

放っておけば認知も進まないのでは・・・と私は思っておりましたが、スガ総理が「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と宣言してしまったので、農水省としても、牛の件に対応しないとね、ということになったと思われます。

で、げっぷメタンガスが削減できるのか?ですが、エサを変えたり、げっぷを出しにくい血統を選抜したりは可能のようです。

問題なのは、そういう飼育方法を採用することについて、農家さんのメリットがない点です。

肉の味が落ちてしまってはメリットどころか損害ですから、そこを補う補助金が必要になると思われますが、その財源は誰が負担するのか、心もとないですね。

むしろメタンガスを発電とか他で利用する方が賢いような気がします。

それに、だいたい、日本の牛の飼育頭数なんて、知れています。

位=ブラジル214.660千頭

2位=インド193.463千頭

3位=アメリカ94.805千頭

ビッグスリーでして、

61位=日本3,835千頭が多少努力しても上位国が頑張らないと、地球的には話しになりません。

研究は支持したいですが、高遠な話しと思わざるを得ません。

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1+1=3

「丸亀製麺」さんが「神戸牛と大和芋のとろ玉うどん」というメニューを売り出したそうです。醤油ベースのうどんの上に、すき焼き風に味付けした神戸牛と、大和芋とろろ、温泉玉子をのせてあります。

すき焼きの溶き卵にとろろを入れることは、すき焼き屋ではあまりやっていません。大阪日本橋(にっぽんばし)にそういうお店があると聞きますが、未訪問です。

とろろ料理屋さんではやっていることがあります。また、とろろ芋産地の農家料理で食べられてもいるようです。

つまりこの食べ方は、在来から知られている食べ方だが、営業料理として普及してはいない、という感じです。

で、自宅で久しぶりにやってみました。

まあ、悪くはないと思います。

とろろは個性がありますが、ウチの肉は負けませんので問題ないです(自慢)

が、この組み合わせによって、1+1=3になるとまでは言えないように思います。とろろには優しい甘味がありますが、すき焼きの割り下は甘味が強いので一緒に食べると判別できません。

とろろが古くから珍重されるのが、消化酵素=ジアスターゼが豊富で胃に優しい食物だからですが、そのジアスターゼはデンプンを分解するものでタンパク質ではないんですね。その意味でも、とろろはマグロの「づけ丼」にかけるのがベターかもしれません。すき焼きは、まあ、まあかと思います。

ただし肉の旨味が残念な場合は避けた方が良いでしょう。とろろはそれなりに個性がありますから、それに食われて肉がピンボケになる可能性があると思います。

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熊本地震

5年前の今夜、2016年4月14日21時26分に熊本地震が起きました。

日本人は東北の大震災を経験し、あれほどの経験は当分しないだろうと思っていましたが、そんな日本人にとっても熊本地震は異例でした。

まず本震だと思っていた4月14日の震度7の揺れが実は「前震」で、28時間後の16日にもう一回震度7が来たことは驚きでした。気象庁が震度階級を制定してから初めて震度7が2回来たのです。

その後の余震も大変多く、震度5以上の余震が25もありました。その範囲も広く大分県の海岸地方まで広がりました。気象庁は通常余震の発生確率を発表していますが、この時「過去の経験則があてはめられない」として発表を取りやめてしまいました。

そして記憶に残っているのは、何と言っても、熊本城の惨状でしょう。

私達「すきや連」は、その年の11月に義援金を届けるため、熊本市のすき焼き店「加茂川」さんに集まりましたが、その時点でもお城の石垣は崩れたまま、ジャッキが城を支えているような状態で前途多難だなあと思ったものでした。

再建にはどれだけ年数がかかるのかと暗澹たる気持ちになりましたが、その再建がおおよそ達成され、最近天守閣が公開されたと聞きます。

コロナが落ち着いたら、是非再訪したいものです。

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彦根の味噌漬け

日本資本主義の父・渋沢栄一の生涯を描く大河ドラマ「青天を衝け」は、

まずまずの視聴率と聞いております。

渋沢は経済人ですから当然いくさをしないですね。いくさ無しでどうやってドラマを盛り上げるのか興味深く拝見しておりますが、描き方が、結構、ゆっくりですねえ。

まだ渋沢が徳川慶喜に出会っていません。時代はやっと井伊直弼の時代で、直弼が新しい描かれ方をしています。

この直弼という人物は、たぶん大河では描かれないと思いますが、日本の肉食の歴史にも面白い1ページを提供しています。

熱心な仏教徒で、牛の屠殺を止めてしまったのです。

直弼は若い頃大変ヒマでした。

彦根藩の第13代藩主の子として生まれましたが、十四男でしかも側室の子だったので、藩を継ぐ可能性はまずないです。子のいない他藩に養子に行くのを待っている内に32歳にまでなってしまいました。

17歳から32歳までの15年間、特に用事のない「部屋住み」の存在として過ごし、その間ヒマだったので、茶道や和歌に熱心を学びました。仏教にも帰依しました。

そうこうしている内に兄が死に、彦根藩主となると、牛の屠殺を止めてしまったのです。

それまで江戸時代彦根藩は牛を屠殺して味噌漬けを作ることを認められていて、将軍家などに納めていました。

慶喜の父・徳川斉昭も、その肉を楽しみにしていて、贈ってくれと要求する手紙を直弼に出すほどでした。直弼が斉昭の要求を拒絶したので、関係が悪化したという説を唱える人がいますが、流石に眉唾学説なので、それは大河ではやらないでしょうね。

対する慶喜は斉昭の子だけに肉好きで、「豚一殿」とあだ名をつけられるほどでした。さて、そのあだ名は大河に出るでしょうか。楽しみです。

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まんぼう

飲食店にとっては恨みの対象でしかない「まんぼう」こと「まん延防止措置」ですが、「蔓延」と漢字で書かず「まん延」と書いているのは残念なことです。

「まん」とは蔓(つる)のことであり、ウイルスが蔓のように拡がる様を国民がイメージすれば、もっと感染対策をするように思うのですが、「まんぼう」と言ってしまったので、ユーモラスな魚しか連想しませんよね。

語感がユーモラスなのに飲食店にとっては大打撃なので、なおさら恨めしいのですが、それをここで書き連ねても進歩はないので、ここで話しを逸らせます。

肉業界人は「つる」と聞いて思い出すことがあります。牛の血統のことを古くは「つる」と言いました。

例えば、但馬牛には前田周助という人が19世紀前半に交配した「周助蔓(しゅうすけづる)」という血統がありました。

一方、犬業界では狆(ちん)の血統のことを「筋(すじ)」と言いました。浅草のブリーダー(=弊社)が持っていた狆の血統のことを「浅草筋」と言いました。

この「浅草筋」は珍重されたようで、江戸時代の浅草は狆のブリーディングの拠点だったと評価されています。

動物の種類によって言い方が違うのが面白いですね。この両方を知っているのは、世の中で私くらいなもんでしょう(笑)

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数珠繋ぎ

4月12日月曜日放送のTBSラジオ『伊集院光とらじおと』に出していただくことになりました。誠にありがとうございます。

『伊集院光と・・・』は毎週月曜から木曜まで、朝8時半から11時まで放送していますが、その中に「桐畑トールのシェフが行く店のシェフが行く店」というコーナーがあります。放送時間は月曜日10時40分頃からです。

「食のプロがお金を出してでも食べたいプロの味」を桐畑トールさんが探して、その味を試食。さらに、そのお店の人がプライベートで通うプロのお店を数珠繋ぎに教えてもらう、というコーナーです。

根岸の「香味屋」さん

日暮里の「羽二重団子」さん

浅草の「駒形どぜう」さん

に続いて弊社が出させていただきます。在り難いですね。

弊社の部分では地下一階「ちんや亭」のハンバーグとサイコロステーキが採り上げられます。

どうぞ、ご視聴下さいませ。

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ハマの番長

さすが「ハマの番長」は違いますな。

プロ野球「DeNA」の監督に就任した三浦大輔さんが、シーズン開幕に合わせて、チームの選手や裏方スタッフまで計100人以上に高級すき焼き用牛肉を贈ったそうです。のし紙には「横浜一心 三浦大輔」と記されていたとか。

三浦監督は「ハマの番長」と言われた現役時代から「ミウラビーフ」の会を開いて、チームの結束に貢献していたそうですが、今年は、外食・外出ができない中でチームの士気を高めるべく、肉を贈るということにしたそうです。素晴らしい。

ちなみに、どこの肉かと申しますと、甲子園の遠征時に宿舎として使う兵庫県芦屋市の「ホテル竹園芦屋」さん

「竹園芦屋」さんは珍しい肉屋発祥のホテルです。肉屋が旅館となり、プロ野球や甲子園球児の定宿となりました。第20回「すきや連」を、2015年に開催させていただたいこともあります。

さらに今回初めて知ったのですが、三浦監督は奈良県の大和高田市立高田商業高等学校の出身でした。2019年11月24日の弊ブログに書きましたが、高田商業では毎年4月、校庭に七輪を並べ、上級生がすき焼きで新入生を歓迎する習慣があります。昭和35年から60年近くにわたって続いている伝統行事です。

監督のすき焼き好きは、そこに遡るのですね。

「DeNA」の優勝を祈念致します。

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回忌

ごく少人数で法事

一人で法事

という例が最近あります。

コロナで親戚や友人を呼ばなくなったからです。

故人の直系の方だけが位牌を持ってお寺に出かけ、お経をあげてもらって、墓を掃除して、その後近くの店で食事して帰る、そんな流れです。

葬儀屋さんの世話にはなりませんが、立派な「法事」です。

これを「不要不急」と言うなかれ。

これを「オンラインでも出来る」と言うなかれ。

次の回忌には普通にしたいですよね。

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青大将

名優・田中邦衛さんの代表作は『北の国から』の黒板五郎ですから、そのイメージからはかなり離れているのですが、もう一つの代表作では「大企業の社長の息子」でした。

映画『若大将』シリーズでの「青大将」のことですね。

「若大将」こと加山雄三さんが、明治時代から続く老舗のすき焼き屋「田能久」の息子で、京南大学運動部のエースであるのに対し、

青大将こと田中邦衛さんは同級生で、やはりスポーツが得意。若大将に何かと対抗心を燃やします。

大企業の息子のアダ名が「青大将」というのも??ですが、映画自体は大ヒットして17作も作られましたから、細かいことはあまり関係なかったようです。それよりも、「敵役・悪役だがコミカルで憎めないキャラクター」を好演したところが評価につながったようです。

当時田中邦衛さんは29歳でした。一見自分に合わないように見える仕事でも受けたら良いという例ですね。

心よりご冥福をお祈りします。

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90回

今年も仲見世に早慶レガッタの旗が掲げられました。

早慶両校の旗が交互にかけられますが、ワセダの旗はえんじ色でお地味なので目立ちません。仲見世を義塾が占領したかと、毎年一瞬だけ思います。

昨年は残念ながらコロナ禍で中止でしたが、今年(第90回)は、

4月18日(日) 隅田川にて「無観客開催」されます。

例年両校の応援合戦がある桜橋付近は「密」になりますが、そこ以外は、公園ですから観に行っても危険ではないと思いますが、それでもオンラインで観たい方は、こちらです。

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